CBDオイルでも使用されているMCTオイルは健康的な油として注目されています。
しかし、メリットばかりではありません。
ここでは、MCTオイルのメリットやデメリットを解説していきます。
MCTオイルとは
MCTオイルとは、中鎖脂肪酸100%のオイルのことです。
ココナッツオイルやパーム核油は中鎖脂肪酸が豊富に含まれている油脂ですが、中鎖脂肪酸以外の脂肪酸も含まれています。
MCTオイルは、これらの油脂から中鎖脂肪酸だけを抽出したものです。
抽出されたオイルは、無色無臭で味はほとんど感じません。
そのため、飲み物、サラダ、ヨーグルトなど、さまざまなものに加えて摂取できます。
油の主成分は脂肪酸で、脂肪酸の長さによって短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸に分けることができます。
短鎖脂肪酸は炭素数が2~4個、中鎖脂肪酸は炭素数が5~12個、長鎖脂肪酸は炭素数が13個以上のものをいいます。
中鎖脂肪酸の一つであるカプリル酸は炭素数が8個です。
長鎖脂肪酸の一つであるパルミチン酸は炭素数が16個です。
中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて炭素数が少なく、脂肪酸の長さが短い特徴があります。
そのため、水になじみやすい特徴があります。
一般的な長鎖脂肪酸は、小腸で吸収されてからリンパ管や静脈を通り、筋肉、脂肪組織、肝臓などに運ばれて、利用されたり貯蔵されたりします。
中鎖脂肪酸の場合は、水に溶けやすい性質があるので小腸から吸収されて、門脈を通って、肝臓に運ばれて分解されます。
そのため、素早くエネルギーになるといわれています。
MCTオイルのメリット
素早くエネルギーになる
長鎖脂肪酸は小腸から吸収されて、リンパ管や静脈を通ってから、脂肪組織、筋肉、肝臓などで分解・貯蔵されます。
それに対し、MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、小腸から吸収されて、門脈を通って肝臓に到達し、分解されます。
長鎖脂肪酸とは吸収後の経路が違い、素早くエネルギーになります。
中鎖脂肪酸を100%摂取できる
中鎖脂肪酸はココナッツオイルやパーム核に多く含まれています。
しかし、ココナッツオイルなどには長鎖脂肪酸も含まれています。
MCTオイルなら中鎖脂肪酸が100%でできています。
脳でケトン体が使われる
MCTオイルは体内でケトン体に変換されやすい特徴があります。
脳のエネルギーはブドウ糖だけといわれていましたが、ケトン体も脳のエネルギーとして利用されます。
MCTオイルのデメリット
摂りすぎれば肥満につながる
MCTオイルはエネルギーになりやすいとはいっても、エネルギーを消費しないと余った分が脂肪として蓄積します。
脂質は1gあたり9kcalで、糖質とタンパク質が1gあたり4kcalなことに比べるとカロリーが高く、MCTオイルを摂りすぎると摂取カロリーが多くなります。
過剰に摂ってしまいやすい
MCTオイルはコーヒーなどの飲み物に混ぜる、ヨーグルトやサラダにかけるなどの摂り方をします。
普段油を使用せずに摂取していたコーヒーやヨーグルトなどにMCTオイルをかけて、その他の食事の油の摂取量を減らさないと、1日の脂質摂取量が多くなります。
必須脂肪酸ではない
人間の体内では合成できないため、食品などから摂取する必要がある脂肪酸を必須脂肪酸といいます。
オメガ3系脂肪酸のαリノレン酸と、オメガ6系脂肪酸のリノール酸が必須脂肪酸です。
MCTオイルに含まれるラウリン酸などは必須脂肪酸ではありません。
下痢を起こす
MCTオイルを一度に多量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります。
油を一度に大量に摂取すると便の滑りがよくなったり、腸が刺激されたりするためだと考えられます。
デメリットの解決方法
MCTオイルは素早くエネルギーになりますが、太らない油ではありません。
過剰に摂取すると摂取カロリーが多くなり、肥満のもとになります。
このデメリットを解消するためには、1日の脂質摂取量を見直すことが大切になります。
揚げ物やサラダドレッシングなど、これまで摂取していた脂質を減らし、その分MCTオイルの摂取量を増やせば、1日のトータル脂質摂取量が過剰になることを防げます。
油っぽいものを控える、これまでの油入りドレッシングをMCTオイルにするなどで、脂質の過剰摂取を抑えられます。